弓術とは?弓道とどう違う?

弓道とは明治時代から戦後にかけて江戸時代以前に武士が鍛錬していた弓術の一部を現代人にもわかりやすく普及しやすくアレンジしたものです。28m(近的)と60m(遠的)の二種目あり、的にあたった数や一部得点を競う武道です。

これは弓術の小的前堂射というものが元になっています。

  1. 小的前というのは近い距離で敵の急所に強い矢を放ち、敵を射止める実戦の訓練が元になっています。
  2. 堂射というものは京都の三十三間堂がいちばん有名ですが、お堂の長い廊下を屋根に触れないようにライナーに屋を飛ばし、決められた時間内に何本屋根にも床にも触れずに反対側に矢を通せるかを競った江戸時代の競技弓術です。京都の三十三間堂は廊下が121mあり、天井は約5m程です。特殊な技術や道具を使い、矢を高速で飛ばす必要がありました。これは現代人にはかなりハードルが高いですので、この堂射の子供用の練習の距離(半堂)を基準とし、高さの制限をなくし、近的と同じように的にあたった数を競うものにしたものが現代弓道の遠的になりました。実際は矢を低く飛ばすのが目的ですが、実態としては遠的の名の通り、近的と同じ的が遠いだけの違いという認識で練習されています。

他にも弓術には

  • 矢をどれだけ遠くに飛ばすことができるか(射流し)
  • どれだけ貫通力の矢を射ることができるか(堅物射抜き)
  • 作法通り弓をひくことができるか(巻藁)
  • 数多くの矢を矢継ぎ早に射る(差矢)
  • 実際の戦場での集団での立ち回りなどを稽古する(要前)

などたくさんの稽古がありました。有名な流鏑馬も弓道にはない弓術の一種です。

この弓術は江戸時代初期にある先生によって五射六科というものにまとめられました。

以下、wikipediaから引用です。(私も編集者の一人です)

五射

巻藁前(まきわらまえ)巻藁の射法。基礎に則って射ることから、格式の高いものとされる。
的前(まとまえ)現在の近的での射法。
遠矢前(とおやまえ)遠距離に射る射法。繰矢・尋矢(くりや)ともいう。
差矢前(さしやまえ)矢継ぎ早に射る射法。指矢・数矢ともいう。
要前(ようまえ)戦場での射法。敵前ともいう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%93%E8%A1%93

六科

弓理射術理論。巻藁前・的前・遠矢前・差矢前・要前。
弓礼礼法、作法。
弓法弓、矢、ゆがけなど弓具の取り扱い方。
弓器弓、矢、ゆがけなど弓具(の種類)に関する知識
弓工弓、矢、ゆがけなど弓具の制作方法。
丹心錬心とも。心の鍛錬。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%93%E8%A1%93

基本的に弓道は弓術の一部をアレンジしたものですので、弓術ができれば弓道もできると思って差し支えありません。

安藤弓術場は弓道場ではなく弓術場ですので、弓道競技である近的や遠的以外の稽古も沢山することができます。

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